アクティブ化が求められる理由とは?具体的な進め方を 3 ステップで解説!

自社で CRMツール を導入し顧客情報を管理しているものの、データ分析や施策検討などに有効活用できていない方は多いのではないでしょうか?

弊社クリエイティブホープへのご相談でも、

  • リソース不足により CRMツール を有効活用できていない
  • どのように CRM施策 を実施していったら良いのかわからない
  • 自社のデータをどのように蓄積すれば良いのかわからない

などの内容が多く寄せられています。

このような場合、ユーザーが未アクティブの状態になっていることが多く、アクティブ化を行うことでユーザーのデジタル行動をはじめ、CRM施策に有効なデータを CRM に蓄積できるようになります。

本記事では、アクティブ化の概要や求められる理由、具体的な進め方などを一挙に解説します。この記事を読むことで、 CRMツール に登録されているユーザーをアクティブ化するための方法を理解でき、リードに対して有効な施策を打ち出すことが可能になります。

なお、この記事に掲載している内容は、弊社クリエイティブホープが実施・提案しているリードマネジメント施策の一つです。そのため、記事を読んだ後、すぐに行動に移せるような実践的な内容であり、リードの案件化数の増加にも繋がるため、ぜひ最後までご覧ください。

アクティブ化とは?

まずは、アクティブ化という言葉の意味を理解しておきましょう。

アクティブ化とは、ユーザーのデバイスと Cookie とを紐づけし、 Web上での行動アクティビティデータを CRMツール で取得できるようにすることを意味します。アクティブ化されていないと、例えばWebサイトに訪れたユーザーが、CRMツール上のどのユーザーであるかをCRMツール側で判別することができず、その行動データは蓄積されないため、データの欠損が発生します。

そのため、CRMデータを有効活用するために、未アクティブのユーザーをアクティブ状態へ移行することがアクティブ化の大きな目的です。これにより、 CRMデータをもとにユーザーの行動・関心などを把握でき、様々な意思決定や施策検討などに役立てることが可能になります。

このように、 CRM の導入効果を最大化し、自社のビジネス成長を実現するためには、アクティブ化が重要な鍵を握っていると言えるでしょう。

アクティブ化が求められる理由

ここまで、アクティブ化の概要についてご説明しましたが、なぜアクティブ化が必要とされているのでしょうか?本章では、アクティブ化が求められる理由について、代表的な 3 つの内容をピックアップしてご紹介します。

ユーザーごとのアクティビティデータが蓄積されない

ユーザーが未アクティブの状態になっている場合、 CRM にユーザーの行動データ(アクティビティ)が記録されません。そのため、顧客の行動履歴や興味関心を把握できず、有効な施策を打ち出すことは難しくなります。

アクティビティデータの代表例としては、

  • メールクリック
  • Web ページ閲覧
  • フォーム送信

などが挙げられます。

アクティブ化によってアクティビティデータを取得し、 CRM へ蓄積することで、自社の営業活動やマーケティング活動などに有効活用できます。このように、アクティビティデータを適切に取得・蓄積するためにも、アクティブ化は重要な取り組みの一つであると言えます。

なお、 Web ページの閲覧データを取得するためには、計測タグが各ページのソースに埋められている必要があり、これによって特定ページの閲覧履歴を把握することが可能になります。また、広告や SNS などの媒体と連携すれば、ユーザーが特定の広告をクリックしたことや、 SNS の発信にエンゲージメントしたことなどを履歴として残すこともできます。

ユーザーの行動履歴に基づく施策やオートメーションが実行できない

アクティブ化を行っていない場合、ユーザーの行動履歴に基づく施策やオートメーションなどを実行することは困難になります。その結果、有効なマーケティング施策を打ち出すことはできず、致命的な機会損失が生じてしまうリスクがあります。

なお、マーケティング施策の具体例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 価格表ページを閲覧した翌日に無料体験申し込みのオファーメールを送信
  • 商品紹介 LP を閲覧した翌日に商品サンプルの申し込みオファーメールを送信
  • 特定カテゴリのコラム記事を閲覧した翌日に関連するウェビナー案内メールを送信

このように、 CRM 本来の機能を活用し、マーケティング施策の分析・評価を基にしたジャッジを行うためには、アクティブ化が必要不可欠であると言えます。

データ分析時の情報欠落が生じてしまう

CRM データを分析する場合、データの質が分析結果の精度を大きく左右します。しかし、ユーザーが未アクティブの状態になっている場合、必要な情報を CRM へ蓄積することができず、データ分析時の情報欠落が生じてしまいます。

その結果、傾向把握をする際に正しい分析ができず、データを基にした分析・活用が困難になります。また、誰がキーパーソンなのか、ユーザーの検討段階がどのような状況なのか、などを把握するための情報が不足している場合は、ユーザーのニーズにそぐわないマーケティング施策を実行してしまうリスクもあります。

このように、分析作業で利用するためのデータを適切に蓄積し、有効なマーケティング活動を実現する上では、アクティブ化が重要な要素であることを覚えておいてください。

アクティブ化を行う際に陥りがちな課題

次に、アクティブ化を行う際に陥りがちな課題についてご紹介します。自社で実践する際に困ることがないよう、ぜひ参考までにご覧ください。

スパム思考的な釣りメルマガを送付してしまう

釣りメルマガとは、アクティブ化を促すために事実とは異なる虚偽の内容や誇張表現、優良誤認させるような内容などをメールで配信することを意味します。例えば、アクティブ化を意識し過ぎるがあまり、実際には行っていないプレゼント企画を案内するようなケースなどが該当します。

仮に、釣りメルマガでアクティブ化に成功したとしてもユーザー体験は非常に悪く、ナーチャリング施策に反応せず商談化が不可能な質の悪いリードばかりが溜まってしまいます。また、自社のブランドイメージも悪化してしまい、結果としてビジネスに悪影響を与えることが多いため、スパム思考的な釣りメルマガは控えるように注意してください。

釣りメルマガを使わずにアクティブ化率を上げるための工夫としては、

  • 新着
  • 新発売
  • 限定
  • 先着
  • 豪華
  • 話題の
  • 今すぐ
  • 無料
  • 非公開情報

など、ユーザーの興味関心を引くような単語を選ぶと良いでしょう。

また、釣りメルマガではなかったとしても、長期間連日または一日に複数回メールを送付した場合、スパム判定されてしまうリスクが高まり、今後の施策を有効に打てなくなる可能性があります。

加えて、企業や部署からではなく、個人からの私信メールで配信する場合、ユーザーがそのメールに反応した後、他の担当者から返信するとネガティブな印象を与えてしまう可能性があるため、ユーザーから反応が届いた後のフロー整備が必要になります。

ユーザーのニーズ・興味関心に合わない施策を実施してしまう

施策に対するユーザーの反応が薄く、想定していたアクションが発生しなかった場合、アクティブ化は失敗に終わります。また、アクティブ化を促進するための事前設計が不足していると、アクティブ化率が低い際のフォローアップ施策も打てなくなります。そのため、ユーザーのニーズや興味関心をあらかじめ調査し、それらに沿った施策を適切なタイミングで実行することが大切です。

継続的に反応がないことで MA 側から価値のないメールと判断されてしまう

アクティブ化をするための施策で一定期間効果が出ない場合、 MA 側から価値のないメールだと判断されてしまい、システム的にメール配信が不可となるリスクが高まります。また、仮に配信できたとしても、そもそもユーザーの興味関心を引けていないため、ユーザーにオプトアウト(配信停止希望)されてしまい、配信リストの縮小に繋がってしまいます。

なお、 MA とはマーケティングオートメーションを略した言葉であり、マーケティング活動を効率化するための IT ツールの一種です。 MA に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、関心のある方はぜひご覧ください。

関連記事:【2023年】代表的なMAツール5つを比較!選び方・導入プロセス

配信許諾を得られていないユーザーへアクティブ化メールを送付してしまう

アクティブ化を意識し過ぎたために、許諾していないユーザーも含めてメール配信を行った場合、最悪のケースではクレームに繋がり、不要な人的コストが発生するリスクがあります。なお、法律的な観点では、名刺交換した顧客に対して情報配信することは問題ありませんが、明確な許諾を得られていない場合は倦厭される可能性があるため、この点には注意が必要です。

アクティブ化を実施するための3ステップ

ここまで、アクティブ化について詳しく解説してきましたが、具体的にどのように進めれば良いのでしょうか?本章では、アクティブ化を実施するための流れを 3 つのステップに分けてご説明します。

Step.1 未アクティブリードのクレンジング

まずは、未アクティブリードのクレンジングを実施します。

この時、「リードの獲得時期が古い場合リード情報を活用できない可能性が高いため、 1 年以内に獲得したリードを残す、リード数が極端に少なくなる場合は 2 年以内に期間を広げる」などのような、具体的な指標を設けることが大切です。

古いリードの場合、担当者の退職などでメールアドレスが消滅しているケースもあり、スパム扱いされるリスクが高まるため、上述したようなクレンジング作業が必要不可欠だと言えるでしょう。

Step.2 インポートまたは直接入力したユーザーのセグメンテーション

未アクティブリードのクレンジングを実施した後は、インポートまたは直接入力したユーザーのセグメンテーションを行います。

代表的なセグメンテーションのやり方としては、特定の展示会や営業時の名刺交換など、ユーザーデータの収集経路に応じてセグメント分けを行う方法が挙げられます。このように、ユーザーのニーズごとにセグメンテーションを実施することで、今後のマーケティング施策に活用できる有効なセグメント分けを実現できます。

また、業界やユーザーの検討状況など、現段階で把握できている範囲の情報を追記することも大切です。これにより、ユーザーのセグメンテーションの精度をさらに高めることが可能になります。ただし、実行するアクティブ化施策について、セグメントごとに大きな差がない場合は、セグメントを細かく分ける必要性は低いと言えるでしょう。

Step.3 セグメントに対する訴求内容やアクションの検討

ユーザーのセグメンテーションが完了したら、各セグメントに対する訴求内容やアクションを具体的に検討します。ユーザーをアクティブ化するためには、「ユーザーが求める情報の提示」が必要不可欠であるため、配信コンテンツや配信タイミングを慎重に検討し、アクションを実行に移してください。

なお、連絡先を入手してから時間が経ちすぎていると、先方の興味関心が薄れてアクティブ化率が低下する傾向にあるため、一定の期間内に CRM へデータを取り込み、迅速にアクティブ化施策を実行することが重要なポイントになります。

アクティブ化の具体的な施策例

最後に、アクティブ化の具体的な施策例についてご紹介します。

今回は、

  • メール本文リンククリック
  • フォーム送信

の 2 つに絞ってご説明しますが、基本的には「メール本文リンククリック」を優先的に実施してください。なぜなら、フォーム送信はフォームやページを作成するためのコストを伴いますが、メールであればコストを掛けずにスピーディーな施策実行が可能になるためです。

それでは、各施策の詳細について見ていきましょう。

メール本文リンククリック

メール本文リンククリックとは、未アクティブユーザーが興味関心を持ちそうなメルマガを作成・送付し、メール本文内のリンククリックを促すことでアクティブ化を行う手法です。ただし、ユーザーの興味関心は仮説ベースになるため、属性情報・収集経路などをもとにセグメンテーションしたリストごとのニーズを洗い出し、メルマガとして設計することが重要なポイントになります。

また、普段送っていないような内容のメールや、マーケティングを意識していないお楽しみコンテンツなどを検討することも大切です。例えば、「バックオフィスあるある川柳」のようなコンテンツでユーザーの共感を高めて Web サイトへの遷移を促すなど、ユーザーの動線を意識・工夫しながら、施策の全体設計を行ってください。

フォーム送信

フォーム送信とは、 CRM のトラッキングタグを埋め込んだ自社 Web サイトでユーザーにフォームを送信し、メールアドレスを収集することで、 CRM 側のメールアドレスと突合させてタギングを行う手法です。例えば、資料ダウンロードや料金シミュレーションなどのページにフォームを埋め込むケースが一般的です。

また、スマホでのメルマガ開封・クリックが多い場合、 PC でフォーム送信をさせることで、クロスデバイストラッキングを促すことが可能です。ただし、フォームやページを作成するための手間・コストが発生するため、メール本文リンククリックと比較して実行ハードルは高いと言えるでしょう。

まとめ

本記事では、アクティブ化の概要や求められる理由、具体的な進め方などを一挙に解説しました。

アクティブ化を行うことで、ユーザーごとのアクティビティデータを CRM に蓄積し、自社のマーケティング活動に有効活用できます。この記事を読み返して、重要なポイントや具体的な進め方を理解しておきましょう。

そして、アクティブ化を行うためには、適切なステップを順番に進めていく必要がありますが、 HubSpot 社が提供するマーケティングプラットフォーム「 HubSpot 」を活用すれば、アクティブ化を効率的に実行することが可能になります。

例えば、メール本文リンククリックを実行する際、タギングを行うためにはリンク上に個別識別の ID を含む必要がありますが、 HubSpot にはリンク追加機能が搭載されているため、リンク追加からメール配信まで、一連のプロセスを HubSpot の世界の中で完結できます。

このように、 HubSpot を活用することで、アクティブ化を円滑かつ迅速に実行できるようになり、自社の業務効率化や生産性向上に繋がります。アクティブ化を実践する際には、 HubSpot が有効なツールの一つになると言えるでしょう。

なお、今回ご紹介した施策は、弊社クリエイティブホープが実施・提案しているリードマネジメント施策の一つになります。この他にも、様々な施策を用意しており、複合的に各種施策を実施することで、リードの案件化数を効率的に増加させることも可能です。

リードマネジメントに関してお困りごとがあれば、こちらの問い合わせフォームより、ぜひお気軽にお問い合わせください。また、弊社クリエイティブホープは HubSpot のプラチナパートナーにも認定されているため、 HubSpot に関するご相談にも柔軟に対応できます。

関連記事:わかりやすい!Hubspot導入支援パートナーの役割と選び方を解説

「このままではデジタルテクノロジーから取り残されてしまう…」と危惧されている企業様こそ、ぜひご相談ください。

本記事を参考にして、アクティブ化の実践および HubSpot の導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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