データドリブンアトリビューション(DDA)とは?メリット・デメリットから設定方法まで

Googleアナリティクスの最新バージョンであるGA4では、データドリブンアトリビューション(DDA)のモデルを採用しています。これにより、コンバージョン(成果)に至るまでのGoogle広告の貢献度を正しく把握することができます。

本記事では、データドリブンアトリビューション(DDA)の概要について解説し、具体的なメリット・デメリットから設定方法まで、あらゆる観点から一挙にご紹介します。

データドリブンとは?

データドリブンとは、データに基づいて判断・実行することを意味する言葉です。従来は人間の勘や経験に頼った意思決定が一般的でしたが、デジタル技術が広く普及した現代においては、客観的なデータに基づいた判断が重要になります。

例えば、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、リアル店舗からネットショッピングへと購買活動の拠点を移す消費者が増えました。この市場変化に伴い、企業は自社の商品サイトに消費者を呼び込むため、消費者の属性(年齢・性別など)やWeb上の行動履歴などのデータを収集・分析し、それらを基にした販売戦略を打ち出すことを求められています。

また、データドリブンと同様に「データ活用」という言葉も頻繁に使われていますが、両者はそれぞれ異なる意味を持っています。データ活用は一過性のものですが、データドリブンは継続的にデータを活用し、常にPDCAサイクルを回しながら様々な意思決定を行うものです。

このように、インターネットやスマートフォンが身近な存在になった現代だからこそ、データの持つ価値は益々高まっており、データドリブンが重要な考え方として多くの注目を集めていると言えるでしょう。

データドリブンアトリビューション(DDA)とは?

データドリブンアトリビューション(DDA)とは、コンバージョン(成果)に至るまでのWeb広告の貢献度を把握するための手法の一つです。なお、DDAは「Data Driven Attribution」の略であり「ディーディーエー」と読みます。

データドリブンアトリビューションの「アトリビューション(Attribution)」は「特定・帰属」を意味する言葉であり、マーケティングにおいては「コンバージョンに繋がるクリックの中で、どれがコンバージョンに貢献しているのか?を評価する仕組み」のことです。

ユーザーがコンバージョンに到達するまでのプロセスは多岐にわたり、様々なWeb行動を通して最終的にコンバージョンへ至ります。コンバージョンを増やすためには途中のプロセスを見える化し、どのクリックがどの程度コンバージョンに貢献したのか?を把握することが重要です。そこで、データドリブンアトリビューションが有効な武器になります。

データドリブンアトリビューション

コンバージョンを計測する際、コンバージョンの直前に行われたクリックだけが評価される傾向にあります。しかし実際には、コンバージョンに至る途中で行われたクリックがコンバージョンに大きく貢献している場合もあり得るのです。

データドリブンアトリビューションは、ユーザーの過去の行動履歴を基に、コンバージョンに対するクリックの貢献度を割り当てます。つまり、コンバージョンに至る途中で行われたクリックの貢献度も正当に評価できるため、より精度の高い分析が可能となる点が大きな特徴だと言えるでしょう。

データドリブンアトリビューションのメリット

データドリブンアトリビューションを活用することで、企業は様々なメリットを享受できます。代表的なものをいくつか見ていきましょう。

広告・キャンペーン・キーワードの効果を可視化できる

データドリブンアトリビューションは他のアトリビューションモデルとは異なり、過去に蓄積された様々なユーザー情報を基に貢献度を割り当てます。そのため、精度が高い分析が可能になり、広告・キャンペーン・キーワードの効果を正しく測定することができます。

ラストクリックモデルやファーストクリックモデルでも効果測定は可能ですが、一定のルールに基づいて貢献度を割り当てるのみであり、実情と乖離した結果になるリスクがあります。そのため、実際の行動履歴などを基に貢献度を評価できる点は、データドリブンアトリビューションの大きなメリットだと言えるでしょう。

広告の入札単価を最適化できる

データドリブンアトリビューションを活用することで、広告がコンバージョンにどの程度貢献しているのか?を正しく把握でき、結果として広告の入札単価の最適化に繋がります。

そして、広告の入札単価を最適化できれば、削減したコストを別の施策に充当し、自社の売上拡大に活用することが可能です。Web広告をはじめとしたマーケティング活動は最小のコストで最大の効果を生み出すことが重要なポイントであるため、データドリブンアトリビューションはとても心強い武器になります。

複数デバイスのデータを横断的に把握できる

インターネットが普及した現代では、ユーザーが利用するデバイスの種類が多様化しています。例えば、ノートPCやスマートフォン、タブレットなどが挙げられます。

データドリブンアトリビューションでは、複数デバイスのデータを横断的に把握できるため、デバイスごとのデータを収集・分析することで、ユーザーに対して最適なアプローチ方法を検討することが可能になります。

データドリブンアトリビューションのデメリット

データドリブンアトリビューションには多くのメリットがありますが、その一方でデメリットも存在します。注意すべき点をいくつかご紹介しますので、正しく理解しておきましょう。

IT 人材を確保する必要がある

データドリブンアトリビューションでは大量のデータを扱うため、一定の IT スキルを有した人材を確保する必要があります。昨今、 IT 人材のニーズは高まっていますが、専門的なスキルを必要とするため、慢性的な人手不足に陥っているのが現状です。

そのため、 IT 人材を確保することは容易ではなく、人件費も一般的な職務と比較して高額になる傾向があります。このように、データドリブンアトリビューションを行うためには、 IT 人材の確保が一つのハードルになる点を覚えておきましょう。

一定量のデータを用意する必要がある

データドリブンアトリビューションは、過去の蓄積データを基にして広告・クリック・キーワードのコンバージョンに対する貢献度を割り当てる仕組みです。そのため、あらかじめ一定量のデータを用意しておく必要があります。

活用できるデータ量が多ければ多いほど、高精度な分析が可能になります。データを蓄積していない企業に関しては、最初にデータを蓄積することから始める必要があるため、この点は覚えておいてください。

扱うデータ次第では不向きなケースが存在する

データドリブンアトリビューションはコンバージョンに至るまでのプロセスを細やかに評価できますが、扱うデータ次第では不向きなケースも存在します。例えば、コンバージョンまでの経路が一つしかない場合などが該当します。

このように、プロセスが単純なケースではデータドリブンアトリビューションは効果を発揮できず、無駄なコストを掛けてしまうリスクがあります。データドリブンアトリビューションはコンバージョンに至るまでのプロセスが複雑な場合に活用するよう、意識しておくと良いでしょう。

データドリブンアトリビューションの設定方法

最後に、データドリブンアトリビューションの設定方法をご紹介します。

1.「 Google 広告」にログイン

こちらのリンクから「Google広告」にログインします。

「Google広告」にログインした画面

2.「ツールと設定」のアイコンをクリック

画面右上の「ツールと設定」をクリックします。

ツールと設定をクリックする画面

3.「アトリビューション」を選択

「測定」の中にある「アトリビューション」を選択します。

アトリビューションを選択した画面

4.「DDAに切り替え」をクリック

画面左側の「DDAに切り替え」をクリックします。

DDAに切り替えをクリックした画面

5.データドリブンアトリビューションに切り替える

データドリブンアトリビューションを利用したいコンバージョンアクションを選択し、アトリビューションモデルを変更します。

アトリビューションモデルを変更する画面

以上でデータドリブンアトリビューションの設定は完了です。

まとめ

本記事では、データドリブンアトリビューションのメリット・デメリットや設定方法などをご紹介しました。

データドリブンアトリビューションを活用することで、企業は様々なメリットを享受できます。広告・キャンペーン・キーワードなどの効果を可視化でき、広告の入札単価を最適化することも可能です。

ただし、データドリブンアトリビューションを効果的に使うためには、データを適切に管理・蓄積する必要があります。そのため、まずは自社のデータを整理することから始めてください。

弊社では、

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本記事を参考にして、ぜひデータ分析ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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