データ活用はスモールスタートで始めるべき?具体的な方法を 3 ステップで解説!

昨今、データ活用の重要性は益々高まっており、多くの企業が膨大なデータを分析・活用し、自社の業務効率化や生産性向上を実現しています。そして、データ活用の第一歩を踏み出すためには、小さく始める「スモールスタート」が重要なポイントになります。

本記事では、データ活用の重要性や阻害要因、スモールスタートするための方法など、あらゆる観点から一挙に解説します。自社でデータ活用を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。

時間がない方へ、本記事の内容をさらに深掘りをした ebook を作成しました。気になる方は、「小さく始めるデータ分析と基盤構築ガイドブック」の資料をダウンロードしてみてみてください。

本記事をご覧いただいた後に、資料を読み込む方が理解ができ、内容を一層理解することができます。

データ活用の重要性

まずは、データ活用の重要性について考えてみましょう。

従来の日本企業においては、熟練者の勘や経験に頼った意思決定が一般的でした。しかし、デジタル技術が広く普及した現代においては、客観的なデータに基づいた判断が求められます。

昨今、情報技術は加速度的に成長を続けており、 AI や IoT などの新しい技術が次々と登場しています。そして、これらの登場により、世の中に存在するデータの量は大幅に増加し、その種類も多様化しています。

また、新型コロナウイルスの感染拡大をはじめとした社会情勢の変化により、ビジネス市場も日々変わり続けています。人々の購買活動はリアル店舗からインターネット上にシフトし、消費者ニーズも高度化かつ多様化しました。企業がこれらの変化に柔軟に対応するためには、客観的なデータに基づいた意思決定が必要になります。

さらに、日本政府もデータ活用の重要性を訴えており、 2018 年に経済産業省が発表した「 DX ガイドライン」においては、企業が DX を実現し、競争上の優位性を確立するためには、データとデジタル技術の活用が重要である旨を明記しています。このように、昨今はデータ活用が大きな注目を集めており、多くの企業がデータの有効活用に向けて試行錯誤を繰り返しています。

データ活用の基本的な流れ

次に、データ活用の基本的な流れを見ていきましょう。

データ活用を行う際は、次の 4 つのステップを順番に進めることが一般的です。

データ活用の基本的な流れ
  • 1 データの収集・統合
  • 2 データの蓄積・加工
  • 3 データの可視化・分析
  • 4 データの活用

まずは、活用したいデータを様々な場所から収集・統合し、それらのデータを作業しやすいように加工した上で蓄積します。その後、蓄積したデータの可視化・分析を行い、その結果をもとに課題発見やアクション検討などに活用します。

データ分析を進める際は、このようなプロセスを順番に踏むことが多いため、一般的なデータ活用の流れとして、内容を理解しておいてください。

データ活用を阻害する要因

現在、多くの企業がデータ活用に取り組んでいますが、思うように進まないケースも珍しくありません。本章では、データ活用を阻害する代表的な要因についてご説明します。

目的が明確化されていない

データ活用は目的ではなく、ゴールを達成するための手段に過ぎません。そのため、目的が明確化されていない場合、データ活用を思うように促進することはできず、プロジェクトが失敗に終わる可能性が高くなります。

データの不備・不具合が多い

データ活用を実践する際には、整理されたデータを保有していることが前提条件になります。そのため、データの不備・不具合が多い場合、効率的なデータ活用を実現することは困難だと言えます。仮に不完全なデータで分析作業を進めたとしても、思うような効果を得ることはできないでしょう。

人的リソースや IT 予算が不足している

昨今、企業が保有するデータ量は増大しており、その種類も多様化しています。そのため、データ活用の一連のプロセスをすべて手動で行う場合、多くの工数が発生します。

そして、作業を効率化するためには IT ツールの活用が効果的ですが、予算が不足している場合、新たにツールを導入することは困難です。このように、人的リソースや IT 予算の不足により、データ活用が前に進まないケースも珍しくありません。

データ活用を成功させるためのポイント

ここまで、データ活用を阻害する要因について解説しましたが、具体的にどうすればデータ活用を成功に導くことができるのでしょうか?本章では、データ活用を成功させるためのポイントを 3 つご紹介します。

データ活用の目的を決める

前述した通り、手段が目的化している場合、データ活用を成功に導くことはできません。

具体的な作業を始める前に、

  • 何のために
  • どのようなデータを使って
  • どのような情報を取得したいのか

など、データ活用の目的を明確化することが大切です。これにより、ゴールから逆算してプロジェクトを進めることが可能になり、結果として効率的なデータ活用を実現できます。

目的に合わせてデータを整備する

データの質はデータ活用の精度を大きく左右するため、作業を行う前にデータを綺麗に整備する必要があります。目的に合わせて対象となるデータを絞り込み、分析できるようなデータに整備・加工してください。データを整理することで、以降の分析作業を効率化でき、プロジェクトを計画的かつ迅速に進めることが可能になります。

優先順位を付けてスモールスタートする

昨今、企業が保有するデータ量は増大しているため、データ活用を始める際はスモールスタートすることが重要なポイントになります。優先順位を付けてスモールスタートすれば、プロジェクトに掛かる人的リソースやコストを低減できます。

そして、まずはスモールスタートで成果を残すことで、追加のリソースや IT 予算を獲得しやすくなります。いきなり全てのデータを対象とするのではなく、優先順位を付けながら、段階的にデータ活用を進めてください。

データ活用をスモールスタートするための方法

データ活用をスモールスタートするイメージ図

データ活用を成功させるためには、スモールスタートが重要なポイントであることを前述しました。本章では、データ活用をスモールスタートするための方法を具体的な 3 ステップで解説します。

Step.1 ミニマムデータ基盤の構築

データ活用をスモールスタートする際の第一歩は、ミニマムデータ基盤の構築です。分析対象となる必要最小限のデータを格納し、ダッシュボードを出力できる基盤を構築してください。この時、データレイクやデータウェアハウス、データマートなど、作業を効率化するための IT ツールを活用することが大切です。

関連記事:データレイク・データウェアハウス・データマートの特徴と違いとは?

関連記事:自社のデータ管理に役立つ「データ基盤」とは?構築の手順を 5Step で解説!

Step.2 データの分析・可視化

ミニマムデータ基盤を構築したら、次はダッシュボードを活用してデータの分析・可視化を行います。これにより、直感的な状況把握や迅速な意思決定が可能になり、効率的なデータ活用を実現できます。なお、データを分析・可視化する際には、 BI ツールを活用することで作業工数の削減に繋がります。

関連記事:BIツールとは?活用事例や使いこなすためのポイントを徹底解説!

Step.3 データ活用の本格展開による DX 推進

データの分析・可視化を行い、その結果をもとに具体的なアクションを検討・実行できれば、小さな単位でのデータ活用は成功だと言えます。スモールスタートで一定の効果を得られた後は、データ活用を本格的に社内展開し、自社の DX を推進しましょう。

たとえ小さな単位でもデータ活用の成果が出ることで、次の施策へのモチベーションに繋がります。そして、その繰り返しが好循環を生み出し、自社が DX を推進するための原動力になります。

データ活用の事例紹介

最後に、データ活用の事例を一つご紹介します。

とあるエンタメ企業は熱心なファンに支えられて好調な業績を残しており、マーケティング活動に注力しなくても人気作品は常に完売の状態が続いていました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、公演の開催が不安定になってしまったのです。

そこで、同社は顧客をより深く理解するためにデータ活用への第一歩を踏み出しました。具体的には、直近 4 年分の購買データ・会員データをもとに RFM 分析を行い、購買状況や来場頻度などから顧客をセグメント分けすることで、ロイヤリティ向上施策へと繋げました。

また、顧客セグメントをデモグラフィック属性(年齢や性別、家族構成、所得、職業、学歴、居住地域などの人口統計学的属性のデータ)や作品情報と掛け合わせることで、顧客一人ひとりの関心に合わせた効果的なアクションを打ち出すことが可能になりました。

このように、データを活用して自社のビジネスを回復させた好事例となっています。

なお、 RFM 分析に関しては以下の記事で紹介していますので、関心のある方はぜひご覧ください。

関連記事:マーケティングの成果を高めるデータ分析手法 10 選を一挙にご紹介!

まとめ

本記事では、データ活用の重要性や阻害要因スモールスタートするための方法など、あらゆる観点から一挙に解説しました。

デジタル技術が急速に発展した現代において、データ活用の重要性は益々高まっています。自社のビジネスを成長させるためには、データ活用が重要な鍵を握ると言っても過言ではないでしょう。

ただし、データ活用を進める上では様々な阻害要因が存在し、プロジェクトが途中で頓挫してしまうケースも珍しくありません。この記事を読み返して、データ活用を成功させるためのポイントを理解しておいてください。

データ活用を成功させるためのポイントは多岐にわたりますが、スモールスタートで始めることがとても重要なポイントになります。優先順位を付けながら段階的に実行することで、リソース・予算を低減でき、短期間で一定の効果を出すことができます。

そして、スモールスタートが成功した後は、データ活用を社内へ本格展開し、その先の DX 推進へと範囲を広げていきましょう。このように、いきなり全てのデータを対象にするのではなく、優先すべきものから順に着手することで、計画的かつ円滑にデータ活用のプロジェクトを推進できます。

弊社では、DX を通じて高付加価値を生むサービス・ソリューション開発の支援からその後のマーケティング/セールス領域における生産性の向上をサポートしております。

「このままではデジタルテクノロジーから取り残されてしまう…」と危惧されている企業様こそ、ぜひご相談ください。

こちらの問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。入力内容を確認した上で、担当者から改めてご連絡させていただきます。

強引やしつこいセールスは一切ございませんので、ご安心ください。

本記事を参考にして、ぜひデータ活用への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

また、本記事の内容をさらに深掘りをした ebook を作成しました。気になる方は、「小さく始めるデータ分析と基盤構築ガイドブック」の資料もダウンロードしてみてみてください。

SNSでシェアする

google mapで見る