【2024年】代表的なMAツール5つを比較!選び方・導入プロセス

マーケティング活動を効率化するためには「 MA ツール」の活用が欠かせません。企業が MA ツールを導入することで、業務効率化や生産性向上など、様々なメリットを享受できます。

本記事では、 MA (マーケティングオートメーション)の基礎知識に加えて、代表的な MA ツール 5 つを比較表付きでご紹介します。 MA ツールを選ぶときのポイントも解説していますので、自社で MA ツールの導入を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。

MA (マーケティングオートメーション)とは?

MA (マーケティングオートメーション)とは、マーケティングプロセスを自動化し、効果的な顧客エンゲージメントを促進するための仕組みのことです。

昨今における新型コロナウィルス感染拡大の影響による購買行動のデジタル化や情報技術の急速な発展などに伴い、膨大な顧客データをもとにマーケティング活動を効率的に行うための手段として、 MA が大きな注目を集めています。

MA の具体的な内容としては、

  • メールキャンペーンの自動化
  • 顧客のセグメンテーション
  • リードジェネレーション
  • 顧客行動のトラッキング

などが挙げられます。

これらを効果的に活用することで、マーケティング活動におけるターゲットの絞り込みを効率化したり、顧客セグメントに応じた有効なアクションを検討したりすることが可能になります。

MAツールとは?

MA ツールとは、マーケティング活動を効率的に行うためのツールのことであり、 MA ツールを活用することで繰り返しのタスクや手動作業を自動化できます。これにより、マーケティングチームの時間やリソースを節約でき、より戦略的な活動に集中することが可能になります。

近年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、消費者の購買活動の場はリアル店舗からオンラインへと移行しました。これに伴い、企業は顧客の Web 上における行動履歴を分析し、有効な施策を打ち出す必要性に迫られています。

このような背景から、現在は MA ツールの存在が重要視されており、実際に多くの企業が MA ツールを活用して自社のマーケティング活動を効率化しています。デジタル技術が発展した現代においては、 MA ツールの導入が企業の明暗を分けると言っても過言ではないでしょう。

なお、 MA ツールと混同しやすい言葉として CRM が挙げられますが、 MA ツールと CRM は明確に異なるものです。 CRM は「 Customer Relationship Management 」の略であり、顧客との関係性を管理するためのツールです。氏名や年齢、性別のような顧客情報を管理できる点は MA ツールと共通していますが、 CRM はあくまで情報を管理することが目的であるため、 MA ツールのようにマーケティング施策を実行することはできません。

【比較表付き】代表的な MA ツール 5 つ

本章では、代表的な MA ツールを 5 つに絞ってご紹介します。

以下、今回ピックアップした MA ツールの一覧表です。

ツール名 主な機能 月額料金 サポート体制
HubSpot ・キャンペーンの自動化
・メール/フォームのオートメーション
・ワークフローの可視化/カスタマイズ
Starter:2,160円
Professional:96,000円
※ 2024 年 9 月 9 日時点
・メール
・チャット
・電話
Marketing Cloud Account Engagement ・Web行動履歴のトラッキング
・検討度合いのスコアリング
・休眠顧客へのメール配信
Growth:150,000円
Plus:330,000円
Advanced:528,000円
Premium:1,800,000円
※ 2024 年 9 月 9 日時点
・ポータルサイト
・電話
SATORI ・匿名客へのアプローチ
・見込み顧客の興味関心の可視化
・シナリオ設計による業務自動化
148,000 円
※ 2024 年 9 月 9 日時点
・ハンズオンセミナー
・オンライン相談
・活用支援サイト
・コミュニティ
B→dash ・GUI上でのデータ加工/統合
・サイト訪問客に対するWeb接客
・SNSやメールによるアプローチ
非公開 ・カスタマーサクセス担当
Adobe Marketo Engage ・自動化による迅速な施策の立ち上げ
・チャネルを跨いだ見込み客の育成
・リード管理と電子メールマーケティング
非公開 ・オンラインサポート
・e-Learning
・コミュニティ
ツール名 主な機能 月額料金 サポート体制
HubSpot ・キャンペーンの自動化
・メール/フォームのオートメーション
・ワークフローの可視化/カスタマイズ
Starter:2,160円
Professional:96,000円
※ 2024 年 9 月 9 日時点
・メール
・チャット
・電話
Marketing Cloud Account Engagement ・Web行動履歴のトラッキング
・検討度合いのスコアリング
・休眠顧客へのメール配信
Growth:150,000円
Plus:300,000円
Advanced:528,000円
Premium:1,800,000円
※ 2024 年 9 月 9 日時点
・ポータルサイト
・電話
SATORI ・匿名客へのアプローチ
・見込み顧客の興味関心の可視化
・シナリオ設計による業務自動化
148,000 円 ・ハンズオンセミナー
・オンライン相談
・活用支援サイト
・コミュニティ
B→dash ・GUI上でのデータ加工/統合
・サイト訪問客に対するWeb接客
・SNSやメールによるアプローチ
非公開 ・カスタマーサクセス担当
Adobe Marketo Engage ・自動化による迅速な施策の立ち上げ
・チャネルを跨いだ見込み客の育成
・リード管理と電子メールマーケティング
非公開 ・オンラインサポート
・e-Learning
・コミュニティ

このように、ツールごとに特徴が異なることがお分かりいただけると思います。なお、サポート体制は契約プランによって選択できるサポートが異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

それでは、各ツールの詳細について順番に見ていきましょう。

HubSpot

HubSpot公式 HP
出典元:HubSpot 公式 HP

HubSpot(ハブスポット)は、 HubSpot Japan 株式会社が提供しているツールであり、マーケティングを総合的に促進させる CRM プラットフォームです。そして、 HubSpot に搭載されている「 marketing hub 」が MA ツールとしての役割を果たしています。

HubSpot には、ワークフローやボット作成ツールによるキャンペーンの自動化やメール・フォームのオートメーションなど、様々な機能が搭載されています。さらに、ワークフローの可視化やカスタマイズも容易にできるため、自社のマーケティング活動を様々なシーンで効率化できます。

HubSpot には無料プランが存在しますが、利用できる範囲としては顧客管理に関する機能のみです。そのため、 MA の機能を使いたい場合は、有償の月額プランを契約する必要があります。なお、有償プランは「 2,160 円 / 月」の Starter プランと「 96,000 円 / 月」の Professional プランの 2 種類が用意されています。

Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot )

Marketing Cloud Account Engagement (マーケティングクラウド・アカウントエンゲージメント)は、セールスフォース・ドットコム社が提供している MA ツールです。長年「 Pardot (パードット)」の名称で親しまれていましたが、 2022 年 4 月 7 日より製品名が変更されました。

Marketing Cloud Account Engagement は見込み顧客のニーズ把握を得意分野としており、リードを獲得しているユーザーが Web サイトを訪問すると、来訪頻度や閲覧ページなどオンライン上での行動をトラッキングできます。また、行動履歴や属性情報などをもとに、検討の度合いを計算するスコアリングも可能です。

Marketing Cloud Account Engagement には計 4 つの有償プランが用意されており、最も安いプランは「 150,000 円 / 月」の Growth プラン、最も高いプランは「 1,800,000 円 / 月」の Premium プランと、価格設定に大きな幅があります。

SATORI

SATORI 公式 HP
出典元:SATORI 公式 HP

SATORI(サトリ)は、株式会社 SATORI が提供している MA ツールです。

SATORI はデータベースの設計や導入作業が不要であり、すぐに運用開始できる点が大きな特徴となっています。また、サービスのインターフェースもシンプルに構成されており、専門のスタッフが使い方や設定方法をサポートしてくれるため、 MA の運用経験が少ない初心者でも安心して利用できるツールです。

また、 SATORI は「顧客獲得に強い MA ツール」を謳っており、実名客に対するアプローチだけでなく、問い合わせ前の匿名客にも働きかけることができます。なお、費用は「初期費用 300,000 円」と「月額費用 148,000 円」のシンプルな料金体系となっています。

B→dash

B→dash 公式 HP
出典元:B→dash 公式 HP

B→dash(ビーダッシュ)は、株式会社データ X が提供している MA ツールです。

B→dash は SQL 不要のノーコードが特徴の一つであり、施策・分析の実行に必要なデータ連携からデータ抽出までの全プロセスを画面操作のみで完結できるため、エンジニアスキルを持たないマーケターでも簡単に操作可能です。

また、 MA の機能だけではなく、 BI や Web 接客、 CDP など、データマーケティングの実現に必要な機能をオールインワンで搭載している点も B→dash の大きな魅力となっています。様々な機能を一気通貫で使えるため、複数ツールを導入する場合と比較して、大幅なコスト削減に繋がります。

なお、 B→dash では、初期導入費用(オンボーディングプログラム導入費用)が 500,000 円発生します。ただし、月額費用は公開されておらず、打ち合わせ実施後に個別に見積もりを算出する形を取っているため、関心がある場合は公式サイトから問い合わせを行なってください。

Adobe Marketo Engage

Adobe Marketo Engage (アドビマルケトエンゲージ)は、 Adobe 社が提供している MA ツールです。

Adobe Marketo Engage には、自動化による迅速な施策の立ち上げやチャネルを跨いだ見込み客の育成など、 MA に必要な機能が多数備わっています。また、リード管理や電子メールマーケティングなども実行できるため、一気通貫で自社のマーケティング活動を支援してくれます。

なお、 Adobe Marketo Engage では「 Growth 」「 Select 」「 Prime 」「 Ultimate 」の 4 つの有償プランが用意されていますが、いずれも初期費用・月額費用は非公開となっているため、関心がある場合は公式サイトから問い合わせを行なってください。

MA ツールを選ぶときのポイント

前章でご説明した通り、一口に MA ツールと言ってもその種類は多岐にわたります。そのため、自社に最適なツールを選ぶことが MA ツールの導入を成功に導くためのポイントになります。

それでは、具体的にどのような点を意識して MA ツールを選べば良いのでしょうか?ここからは、 MA ツールを選ぶときのポイントについて解説します。

自社課題を把握する

MA ツールは導入することが目的ではなく、自社の課題を解決してマーケティング活動を効率化することが目指すべきゴールだといえます。そのため、まずは自社が解決すべき課題を把握することが重要なポイントです。

課題が明確になれば、その課題を解決するために必要な機能なども見えてきます。結果として、自社にとって最適な MA ツールを選ぶことができ、ツールの導入効果を最大化することに繋がります。

MA ツールの導入目的を明確化する

MA ツールには様々な機能が搭載されているため、自社の導入目的を明確化することが大切です。

例えば、

  • 新規リードの獲得
  • メールキャンペーンの自動化
  • 顧客行動のスコアリング

など、マーケティング活動を行う上で意識すべきポイントは多岐にわたります。ツールごとに得意分野が異なるため、まずは自社の導入目的を明確化し、その目的遂行に適した MA ツールを選ぶことが重要なポイントになります。

MA ツールの運用体制をイメージする

MA ツールは導入して終わりではなく、適切に運用して初めて価値を生み出すことができるツールです。そのため、導入前に MA ツールの運用体制をイメージしておくことは非常に大切です。

もし、運用体制を考慮せずに多機能な MA ツールを導入した場合、リソースが足りずにツールを適正運用することができず、思うような効果を得られないリスクがあります。そうならないためにも、事前に MA ツールの運用にかかるコストや人的リソースを算出し、適切なツールを選択・導入してください。

本導入前にデモ版を使ってみる

MA ツールの中には、一定期間無償で利用できるデモ版を提供しているものが存在します。もし、自社が検討しているツールがデモ版を提供している場合は、積極的に活用することをおすすめします。

デモ版は、部分的に機能制限などが設けられていることもありますが、ツールの操作性やインターフェースなどは本番環境と同じものが提供されていることが一般的です。事前にツールの操作イメージを掴むことができる点はデモ版の大きなメリットになるため、複数のツールでデモ版を体験し、自社にとって最も使いやすいツールを選ぶと良いでしょう。

MA ツールの導入プロセス

最後に、 MA ツールの導入プロセスをご紹介します。自社で MA ツールを導入する際は、この流れに沿って対応を進めることで円滑なツール導入を実現できるため、ぜひ参考までにご覧ください。

Step.1 KPI 設定

MA ツールを導入する際は、はじめに KPI 設定を行う必要があります。ツール導入によってどのような課題を解決したいのか、最終的に目指すべきゴールは何かを明確化することが重要です。この KPI 設定により、ツール選定の方向性が変わるため、慎重に時間をかけて検討を進めてください。

Step.2 ツール選定

KPI を設定した後は、具体的なツール選定のステップに移ります。前章でご説明したポイントを踏まえながら、自社に最適なツールを選んでください。この時、特定のツールに絞って検討を進めるのではなく、複数のツールを比較しながら、メリット・デメリットなどを客観的に判断して選定すると良いでしょう。

Step.3 設定作業

MA ツールを導入したら、はじめに設定作業を行う必要があります。利用ユーザーの権限設定や顧客行動をトラッキングするためのスコアリング設定など、一つずつ細かい設定を着実に進めてください。多くの MA ツールでは、導入後のサポートが付帯していることが一般的なので、迷ったらツールの提供元に相談することをおすすめします。

Step.4 インテグレーション

インテグレーションとは、 MA ツールを別のシステムと連携・統合する作業のことです。 MA ツール単体でもマーケティング活動を効率化することは可能ですが、別システムとの組み合わせにより効果をさらに高めることが可能です。なお、連携するシステムの代表例としては、 CRM (顧客管理システム)や SFA (営業支援システム)などが挙げられます。

Step.5 本格運用

インテグレーションが完了したら、いよいよ MA ツールを本格運用します。ツールに搭載されている様々な機能を活用して、自社のマーケティング活動を効率化しましょう。なお、 MA ツールを使いこなすためには、一定のスキルが求められるため、必要に応じてメンバー向けにトレーニングを実施することも重要です。

まとめ

本記事では、 MA (マーケティングオートメーション)の基礎知識や代表的な MA ツールなどをご紹介しました。 

MA ツールを導入することで、自社のマーケティング活動を効率化でき、組織全体の生産性向上に繋がります。この記事を読み返して、重要なポイントを理解しておきましょう。

ただし、市場には様々な MA ツールが存在するため、それぞれの違いを理解して自社に最適なツールを選ぶことが大切です。仮にツール選びを誤ってしまった場合、思うような効果を得ることはできないため、慎重に検討を進めてください。

また、 MA ツールの導入プロセスは一般的に共通しており、この記事に沿って対応すれば、円滑にツール導入を進めることができます。ツール導入にかかるコストや設定作業などの工数をネガティブに捉えずに、必要投資として前向きに取り組んでいただければと思います。

弊社では、DX を通じて高付加価値を生むサービス・ソリューション開発の支援からその後のマーケティング/セールス領域における生産性の向上をサポートしております。

「このままではデジタルテクノロジーから取り残されてしまう…」と危惧されている企業様こそ、ぜひご相談ください。

こちらの問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。入力内容を確認した上で、担当者から改めてご連絡させていただきます。

強引やしつこいセールスは一切ございませんので、ご安心ください。

本記事を参考にして、 MA ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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