営業活動を効率化するためには「SFAツール」の活用が欠かせません。企業がSFAツールを導入することで、業務効率化や生産性向上など、様々なメリットを享受できます。
本記事では、SFAの基礎知識に加えて、代表的なSFAツール7つを比較表付きでご紹介します。SFAツールを選ぶときのポイントも解説していますので、自社でSFAツールの導入を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
SFA (営業支援)とは?
SFAは「Sales Force Automation」の略であり、日本語では営業支援システムと呼ばれています。営業活動を効率化できる点がSFAの大きなメリットであり、自社の生産性向上を実現する上でとても重要なものであるといえます。
例えば、顧客情報や営業状況などのデータをSFAで一元管理すれば、その情報をもとに営業が顧客対応を進められるようになり、都度引き継ぎを行う手間を削減できます。また、顧客目線では過去履歴に基づいた対応を受けることができるため、営業に対して同じことを繰り返し伝える必要がなく、顧客満足度の向上に繋がります。
このように、SFAは営業活動の効率化や顧客満足度の向上に直結します。顧客ニーズや働き方の多様化が進んでいる現代においては、SFAの有効活用が企業の明暗を分けるといっても過言ではないでしょう。
SFAツールとは?
SFAツールとは、営業活動を効率化するための機能が搭載されたITツールのことであり、SFAツールを活用することで顧客情報の管理や日常業務を効率的に行うことができます。これにより、営業社員の時間やリソースを節約でき、より戦略的な活動に集中することが可能になります。
近年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、消費者ニーズは多様化かつ高度化しています。これに伴い、企業は顧客情報を適切に管理し、顧客一人ひとりに合わせた有効なアクションを打ち出す必要性に迫られています。
このような背景から、現在はSFAツールの存在が重要視されており、実際に多くの企業がSFAツールを活用して自社の営業活動を効率化しています。デジタル技術が発展した現代においては、SFAツールは必要不可欠であるといえるでしょう。
また、SFAツールと混同しやすい言葉としてCRMツールが挙げられますが、SFAツールとCRMツールは明確に異なるものです。CRMは「Customer Relationship Management」の略であり、顧客との関係性を管理するためのツールです。CRMはあくまで顧客情報の管理が目的であるため、SFAツールのように営業活動に関する詳細情報を一元的に見える化することはできません。
なお、この記事では「SFAツール」という表現を使っていますが、一般的にはSFAという言葉自体がSFAツールを指すことも多いため、この点は覚えておくと良いでしょう。
【比較表付き】おすすめのSFAツール7選
本章では、代表的なSFAツールを7つに絞ってご紹介します。以下、今回ピックアップしたSFAツールの一覧表です。
ツール名 | 主な機能 | 月額料金 | サポート体制 |
---|---|---|---|
Sales Cloud | ・商談管理 ・営業支援 ・売上予測 |
Essentials:3,000円 Professional:9,600円 Enterprise:19,800円 Unlimited:39,600 円 ※ 2024年9月9日時点 |
・電話 ・ヘルプサイト |
HubSpot | ・営業活動とリードの管理 ・メールのテンプレート ・コールのトラッキング |
Starter:2,160円 Professional:96,000円 ※ 2024年9月9日時点 |
・メール ・チャット ・電話 |
Zoho CRM | ・ワークフローの構築 ・営業プロセスの管理 ・リードスコアリング |
スタンダード:1,680円 プロフェッショナル:2,760円 エンタープライズ:4,800円 アルティメット:6,240円 ※2024年9月9日時点 |
・メール ・ポータルサイト |
kintone | ・活動レポート ・ワークフローの構築 ・案件/タスクのリマインド |
ライト:1,000円 スタンダード:1,800円 ワイド:3,000円 ※2024年9月9日時点 |
・メール ・電話 |
Sales Force Assistant | ・AI秘書 ・商談内容の自動集約 ・顧客とのリレーションマップ |
利用機能により変動 | ・サポートデスク |
UPWARD | ・訪問優先度の見える化 ・現在地付近の顧客を自動通知 ・案件状況の見える化 |
ESSENTIAL:3,800円 STANDARD:7,800円 ENTERPRISE:12,800円 ※CRM未導入の場合 ※2024年9月9日時点 |
・サポート窓口 |
JUST.SFA | ・ノーコードで操作可能 ・他システムとのAPI連携 ・リード管理と電子メールマーケティング |
非公開 | ・電話 |
ツール名 | 主な機能 | 月額料金 | サポート体制 |
---|---|---|---|
Sales Cloud | ・商談管理 ・営業支援 ・売上予測 |
Essentials:3,000円 Professional:9,600円 Enterprise:19,800円 Unlimited:39,600 円 ※ 2024年9月9日時点 |
・電話 ・ヘルプサイト |
HubSpot | ・営業活動とリードの管理 ・メールのテンプレート ・コールのトラッキング |
Starter:2,160円 Professional:96,000円 ※ 2024年9月9日時点 |
・メール ・チャット ・電話 |
Zoho CRM | ・ワークフローの構築 ・営業プロセスの管理 ・リードスコアリング |
スタンダード:1,680円 プロフェッショナル:2,760円 エンタープライズ:4,800円 アルティメット:6,240円 ※2024年9月9日時点 |
・メール ・ポータルサイト |
kintone | ・活動レポート ・ワークフローの構築 ・案件/タスクのリマインド |
ライト:1,000円 スタンダード:1,800円 ワイド:3,000円 ※2024年9月9日時点 |
・メール ・電話 |
Sales Force Assistant | ・AI秘書 ・商談内容の自動集約 ・顧客とのリレーションマップ |
利用機能により変動 | ・サポートデスク |
UPWARD | ・訪問優先度の見える化 ・現在地付近の顧客を自動通知 ・案件状況の見える化 |
ESSENTIAL:3,800円 STANDARD:7,800円 ENTERPRISE:12,800円 ※CRM未導入の場合 ※2024年9月9日時点 |
・サポート窓口 |
JUST.SFA | ・ノーコードで操作可能 ・他システムとのAPI連携 ・リード管理と電子メールマーケティング |
非公開 | ・電話 |
Sales Cloud
Sales Cloud(セールスクラウド)は「株式会社 セールスフォース・ジャパン」が提供しているSFAツールです。グローバルで圧倒的なユーザー数を誇り、全世界で最も有名なSFAツールの一つとなっています。
Sales Cloudには様々な機能が搭載されており、商談管理や営業支援、売上予測などをSales Cloudのプラットフォーム上で一元的に完結できます。また、数多くのアドオンが用意されているため、自社が実現したいことに合わせて、個別にカスタマイズできる点もSales Cloudの大きな特徴です。
HubSpot
HubSpot(ハブスポット)は「HubSpot Japan 株式会社」が提供しているツールであり、マーケティングを総合的に促進させるCRMプラットフォームです。そして、HubSpotに搭載されている「Sales hub」がSFAツールとしての役割を果たしています。
HubSpotを活用することで、営業生産性の向上や顧客リレーションの強化などを実現できます。具体的な内容としては、営業向けのエンゲージメントツールや取引管理機能、レポート機能など、営業活動に役立つ様々な機能が搭載されています。
Zoho CRM
Zoho CRM(ゾーホーシーアールエム)は「ゾーホージャパン 株式会社」が提供しているツールであり、CRMとしての機能とあわせてSFAの機能も数多く搭載されています。
Zoho CRMのSFA機能を活用することで、リードのフォローアップや商談の進捗状況、見積書・請求書の発行など、営業活動に関連するあらゆる業務を効率化できます。また、Zoho CRMでは顧客情報を集約・可視化できるため、営業チームが顧客との関係性をより強化できる点も大きなメリットだといえるでしょう。
kintone
kintone(キントーン)は「サイボウズ 株式会社」が提供しているツールであり、様々な機能が搭載されている業務改善プラットフォームとなっています。自社の状況に合わせて、必要な機能だけを選んで利用できる点がkintoneの大きな特徴です。
kintoneで実現できることは多岐にわたりますが、SFAツールとして利用する場合は顧客情報の管理や案件状況の管理、見積書類の作成などが該当します。あらゆる機能がオールインワンで提供されているため、上手く活用すればツールの管理を一元化でき、自社の業務効率化に繋がります。
Sales Force Assistant
Sales Force Assistant(セールスフォースアシスタント)は「株式会社 NIコンサルティング」が提供しているSFAツールであり、電子秘書に人工知能を搭載した「AI秘書」が大きな特徴です。ユーザーがフィードバックを行うことでAI秘書はさらに賢くなり、より的確でパーソナライズされた営業支援を行なってくれます。
また、商談内容は一日一覧の日報画面に集約され、報連相や翌日の予定などを把握することが可能です。上司の指示やアドバイスも簡単に入力できるため、管理者のマネジメント効率化にも繋がります。さらに、個人別にレイアウトを自由にカスタマイズできる点も、Sales Force Assistantの強みの一つだといえるでしょう。
UPWARD
UPWARD(アップワード)は「UPWARD 株式会社」が提供しているツールであり、主にフィールドセールス向けの機能が充実しています。例えば、位置情報をもとに訪問の優先度を見える化したり、現在地付近の顧客を適切なタイミングで通知したりすることが可能です。
また、訪問先の場所・滞在時間や通話履歴などをシステムに自動記録してくれるため、報告作業を大幅に効率化することができます。特にフィールドセールスが中心の企業であれば、非常におすすめなSFAツールの一つとなっています。
JUST.SFA
JUST.SFAは「株式会社 ジャストシステム」が提供しているSFAツールであり、ノーコードでSFAを構築できる点が大きな特徴です。コード不要で簡単に構築でき、機能追加やカスタマイズもスピード感をもって進めることができます。
また、JUST.SFAは外部のシステムやサービスと連携するためのAPIを搭載しています。そのため、JUST.SFAと顧客情報や売上情報、スケジュール情報などを連携させることで、営業活動のシステム化を促進できる点も、JUST.SFAのメリットだといえるでしょう。
SFAツールを選ぶときのポイント
前章でご説明した通り、一口にSFAツールといってもその種類は多岐にわたります。そのため、自社に最適なツールを選ぶことがSFAツールの導入を成功に導くためのポイントになります。
それでは、具体的にどのような点を意識してSFAツールを選べば良いのでしょうか?ここからは、SFAツールを選ぶときのポイントについて解説します。
導入目的を明確化する
SFAツールには様々な機能が搭載されているため、自社の導入目的を明確化することが重要なポイントになります。
例えば、
- 顧客情報の管理
- 営業状況の見える化
- 繰り返し業務の効率化
など、営業活動を効率化するための要素は数多く存在します。ツールごとに得意分野が異なるため、まずは自社の導入目的を明確化し、その目的遂行に適したSFAツールを選ぶことが大切です。
運用体制をイメージする
SFAツールは導入して終わりではなく、適切に運用して初めて価値を生み出すことができるものです。そのため、導入前にSFAツールの運用体制をイメージしておくことは非常に大切です。
もし、運用体制を考慮せずに多機能なSFAツールを導入した場合、リソースが足りずにツールを適正運用することができず、思うような効果を得られないリスクがあります。そうならないためにも、事前にSFAツールの運用にかかるコストや人的リソースを算出し、適切なツールを選択・導入してください。
導入前にデモ版を使用する
SFAツールの中には、一定期間無償で利用できるデモ版を提供しているものが存在します。もし、自社が検討しているツールがデモ版を提供している場合は、積極的に活用することをおすすめします。
デモ版は、部分的に機能制限などが設けられていることもありますが、ツールの操作性やインターフェースなどは本番環境と同じものが提供されていることが一般的です。事前にツールの操作イメージを掴むことができる点はデモ版の大きなメリットになるため、複数のツールでデモ版を体験し、自社にとって最も使いやすいツールを選ぶと良いでしょう。
SFAツールの導入プロセス
最後に、SFAツールの導入プロセスをご紹介します。自社でSFAツールを導入する際は、この流れに沿って対応を進めることで円滑なツール導入を実現できるため、参考までにご覧ください。
Step.1 課題・KPIの具体化
SFAツールを導入する際は、はじめに課題を明確化し、適切なKPIを設定する必要があります。ツール導入によってどのような課題を解決したいのか、最終的に目指すべきゴールは何かを慎重に検討してください。このKPI設定により、ツール選定の方向性が変わるため、SFAツールを導入する上では非常に重要なプロセスであるといえます。
Step.2 ツール選定
KPIを設定した後は、具体的なツール選定のステップに移ります。前章でご説明したポイントを踏まえながら、自社に最適なツールを選んでください。この時、特定のツールに絞って検討を進めるのではなく、複数のツールを比較しながら、メリット・デメリットなどを客観的に判断して選定すると良いでしょう。
Step.3 設定作業
SFAツールを導入したら、はじめに設定作業を行う必要があります。利用ユーザーの権限設定や営業プロセスの定義決めなど、一つずつ細かい設定を着実に進めてください。多くのSFAツールでは、導入後のサポートが付帯していることが一般的なので、迷ったらツールの提供元に相談することをおすすめします。
Step.4 インテグレーション
インテグレーションとは、SFAツールを別のシステムと連携・統合する作業のことです。SFAツール単体でも営業活動を効率化することは可能ですが、別システムとの組み合わせにより効果をさらに高めることが可能です。なお、連携するシステムの代表例としては、CRMツールやMAツールなどが挙げられます。
関連記事:【2024年】おすすめのCRMツール7選を一挙にご紹介!(比較表付き)
関連記事:【2024年】代表的なMAツール5つを比較!選び方・導入プロセス
Step.5 本格運用
インテグレーションが完了したら、いよいよSFAツールを本格運用します。ツールに搭載されている様々な機能を活用して、自社の営業活動を効率化しましょう。なお、SFAツールを使いこなすためには、一定のスキルが求められるため、必要に応じてメンバー向けにトレーニングを実施することも重要です。
まとめ
本記事では、SFAの基礎知識や代表的なSFAツールなどをご紹介しました。
SFAツールを導入することで自社の営業活動を効率化でき、組織全体の生産性向上に繋がります。この記事を読み返して、重要なポイントを理解しておきましょう。
ただし、市場には様々なSFAツールが存在するため、それぞれの違いを理解して自社に最適なツールを選ぶことが大切です。仮にツール選びを誤ってしまった場合、思うような効果を得ることはできないため、慎重に検討を進めてください。
また、SFAツールの導入プロセスは一般的に共通しており、この記事に沿って対応すれば、円滑にツール導入を進めることができます。ツール導入にかかるコストや設定作業などの工数をネガティブに捉えずに、必要投資として前向きに取り組んでいただければと思います。
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本記事を参考にして、SFAツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか?